• 「家族で働く」

    ちょうど3年前の秋に給食センターを閉鎖した。おいしい食事を食べてもらえれば…と、私の両親、給食スタッフが、毎日面白くて美味しい食事を提供していた。しかし、その時期から各事業所で調理、提供するスタイルに変更した。衛生面のリスク、事業コスト削減の理由もあり、そう決めた。創業から3年、両親にはずっと世話になっていたが、終了を告げて実家があった故郷へ帰ることをすすめる。自身の立場、役割が親まで影響することを辛く思い、この先覚悟しないと、更に周りの人にも迷惑をかけることになると実感した。幸い両親は快く地元へ帰ることを承諾してくれた。今私が思うには、両親として「そうするしかなかった」と振り返る。現在でも、ゆたかなビレッジでは、ご家族単位で働いている方が勤務をしている。兄弟、姉妹、親子、夫婦、家族という単位であり、介護のお仕事、また「ゆたかなビレッジ」に関わりをもってくださることにいつも感謝をしている。感謝と同時に私が思うのは、家族で働くということは「何だか恥ずかしいだろうな」ということ。私も経験があり、言えることですが「何だかすべてをオープンにしている」ようで、私的な部分までも、他のスタッフにさらけ出している思いになるのです。これは本当に恥ずかしい。ただ私がそんな時、いつも心に言い聞かせていた思いがあります。それは「もう、今更恥ずかしいもないな」「家族として、今しか関わることできないな」この二つです。私たちはこの世に生を受け、この家族として関わることは「限られた時間」だということ。社会に出て働くようになると大半を職場関係の人と過ごすことになります。自分の家族と暮らす時間はわずかなひとときでした。世の中には自営業で、「年中家族と一緒だよ」という方もあるかとは思いますが、「家族と働く」「家族と同じ職場で過ごす」という経験は貴重なチャンス、時間ではないか? と私は思います。また面白いのが、家族を職場へ紹介したいという人が、必ず遠慮がちに求職を希望してきます。「家族なのですが…いいですか?」 そんな時には、こちらはいつも「喜んでお受けします」と応えています。私の「恥ずかしくないよ」という思いもありますし、過去にも家族で働くことでトラブルらしいことは無かったからです。いろんなリスクを想像する方もいますが、この「家族で働く」選択の場合にはメリットが大きく上回ります。事業所側にしても、ご利用者様、職員が「家族で働く姿」を見ることによって、ほとんどの人が「温かい気持ち」になります。何だか「ありのままの自分をさらけ出す」潔さが心を打つといった感なのでしょうか。武士道精神でしょうか?(笑)高齢化の進む日本で「家族のあり方」も変化を求められています。それは「家族で働く」という選択が助けになるのかもしれません。

    IMG_0513