• 第2回 「元気は自分でつくれない」
    デイサービスの雛祭を見ると期末を迎える。この時期は決算の数字が24時間脳に停泊している。食事をする時も「もう少し頑張れたのかな?」済んでしまったことをクヨクヨしてしまうのである。トイレに入る時も、布団に入ってからも、恥ずかしい話であるが、夢の中までも数字を計算することがある。数字は心を、また生活をも支配してしまうものだ。ただ、現在の私には「元気」という希望を持って進んでいる。これは「不安」を解消する方法になった。2014年からスタートした「みんな元気になる」これを事業理念とした。決めたからには自らが「元気になろう」「もっと自分が元気になろう」と思うことから始めた。しかしスタッフを強くリードして行くべき自身が「思う元気が出せない」それが大きな悩みであった。身体の不調もあり、「元気の空回り」が様々な不協和音を生んだ。日々、考えても結論の出ない問題を、何度も何度も思い起こし街を歩いていた。「元気出さないと」歩くことで気持ちを整えていたかと振り返る。そんなある日、いつものように歩いていると、手を振って声をかけてくれる人がいた。 ご利用者様のご家族様である。いつも通り私も挨拶を交わした。その日は少し遠目で、こちらに気が付いてくださったために、ジェスチャーを大きく言葉を短く、そしてハッキリとこちらにわかる様に表現してくださった。以下が内容である。「は!は!が!げ!ん!き!に!なりました」そして手を振ってくれていた。それまでの問題がすべて消滅して、身体じゅうの隅々までエネルギーがめぐり、瞬間に「元気」になった。「元気をいただいた、頂戴した」のです。元気とは自ら発生させることは困難でしょう。身体の自由がなく、要介護状態にある方へ「元気になってほしい」そう願うケアを提供するには、私たちから始まる「元気の素」を提供する必要があったのです。私が受けた「元気を頂戴する」これと同じく、自分の元気は他者から頂戴して、その元気を自分以外の人へ渡す。それがゆたかなビレッジが目指す「みんな元気になる」姿だと想像しています。

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