2016/06/01 更新
2016 年テーマ 「心動いて元気になる」
第5回 平和の灯
アメリカのオバマ大統領が広島を訪問した。皆さまもご存じでしょうし、それぞれの方に様々な考え、思いがあることでしょう。昨年、広島の原爆資料館に久しぶりに行く機会があった。原爆資料館へ初めて行ったのは20年前、教会等で海外の人へ原爆についての話をする方の手伝いをしたことだ。私は資料、情報を集める担当であった。対象は外国人、日本と戦った国の人々へ対してである。今考えるとかなり無謀であったかもしれない。まずは広島の原爆資料館へ相談した。職員の方は丁寧に内容を聞き取り、ビデオテープ、資料等を無償で提供してくださった。「原爆のことを伝える趣旨であれば無償です。」と快く協力してくださった。71年経った今でも、その平和への活動は続いている。現在、広島原爆資料館は大規模改装の最中、展示も変更中であった。昨年、見学した際も入館者の9割は外国人に見える程で様々な国の人々が熱心に見学をしていた。日本を旅行して、原爆資料館へ来てくださることに日本人としてありがたく思う。平和への努力については、各国で取り組む問題も多くあるし、私たち個人で取り組むこともある。是非国へ見たことを持ち帰っていただければと願う。私の住む日本は平和への取り組みができる状況にあるし、我々個人もその状況にあると私は考える。戦争状態にある国の方々には難しいことだ。そして介護のお仕事を継続するためにも「平和」が成立していなければ無理なことだ。お仕事と平和はどちらも大切なことだ。私も一人の日本人として、平和への取り組みが必要であると日ごろから感じている。ご利用者様の中には、広島、長崎、東京、横浜も空襲の経験があり、介護の現場でも戦争体験を直接聞く機会もあるからだ。しかしそれも時間の経過により消えていくことになる。各資料館では、原爆体験者の体験談を集積して保存している。沖縄戦については、若い世代の方へ「語り」を伝承するような試みもある。しっかりと平和を引き継ぐ思いと、個々による日々の平和への取り組みを継続しなくてはならない。生活の忙しさの中で「平和の灯」を見て強く思った。